以前チマチマやってたこと

研ぎを生業にする以前より趣味でも刃物を研いでいたわけですが、その中でも少しだけ懐かしさのある刃物をいじくっておりました。 こちらは「日本剃刀」と呼ばれるものです。 サイトによっては「和剃刀」とも呼ばれていたりします。 出会ったきっかけは子どものころから通っていた理髪店の先代のおっちゃんが使っていた剃刀を譲り受けまして、そこから剃刀の研ぎを練習した次第です。 自分の体質的にも市販のT時のカミソリを毎日使うとカミソリ負けをするので昔から産毛トリマーを使って産毛やヒゲを処理していました。 そんな体質の人間が理髪店で髭剃りをしてもらってる隣のお客さんを見ていると気持ちよさそうにしているじゃありませんか。 シェービングクリームでこれから剃る準備、熱めの蒸しタオルでヒゲを柔らかくし、その間に店主が道具を準備し終えたらご褒美の時間です。 床屋でなければ味わえない至福の時間が訪れます。 それらを味わいたいが故に研ぎの練習を始めました。 しばしの間に練習を重ねた後とりあえずは剃れる、肌が荒れない程度には仕上がったのでそれを床屋に持ち込み、顔剃りをしてもらうことに。 憧れの時間は至福の時間に変わり、これを目当てにまた通いたいと思うようになり、そこからはカミソリ負けに悩む人にもこの心地よさを味わってほしいと考えるようになりました。 その後はモニターさんを募集することになり、色んな条件をクリアした人に提供していく形になりました。 まずは試して貰うには物が必要になってきます。 これの入手にあたって一時期中古のフリマサイトをひたすらに眺めておりメンテナンスすれば使えるようになりそうな品を確保。 そこから選別した剃刀を研ぎ、持ち手を改良していきます。 古くなっていた持ち手部分の糸や加水分解気味のゴム等を外し、防水処理用のシリコンパッキンを塗布し新聞紙を巻く。 次に持ちやすくするための新聞紙で厚みを持たせ、その上からタコ糸で縛り上げていく。 刃は研いであるので椿油を塗った後にティッシュで保護しておく。 持ち手の部分は研ぎより時間がかかるので気軽に出来る作業ではありません… たったこの本数を用意するだけでもまぁまぁ時間がかかりますし、あとタコ糸を扱っていると指に食い込むので第二関節付近が真っ赤になります… そんなこんなでたまに一緒に遊ぶ人にお願いして扱ってみて貰えないかと二人ほどお願いして...